お正月飾りとしてお馴染みの千両(せんりょう)、万両(まんりょう)、南天(なんてん)。縁起が良いとされ、見た目も鮮やかな植物です。しかし、どれがどれだかわからない方、意外と多いのではないでしょうか?
実はこの3種、冬に赤い実をつけるという共通点があり、ぱっと見似ているようにも見えますが、植物の分類学上では全く別の植物なんです。
千両(センリョウ)
- 学名:Sarcandra glabra
- 科・属:センリョウ目・センリョウ科・センリョウ属
- 樹高:70センチ~1メートル
万両(マンリョウ)
- 学名:Ardisia crenata
- 科・属:ツツジ目・サクラソウ科・ヤブコウジ属
- 樹高:1メートル以上
南天(ナンテン)
- 学名:Nadina domestica
- 科・属:キンポウゲ目・メギ科・ナンテン属
- 樹高:1メートル~3メートル
千両はセンリョウ目、万両はツツジ目、南天はキンポウゲ目と、違う【目】に分類されています。
動植で考えると、人間は動物[界]脊索動物[門]哺乳[綱]サル[目]ヒト[科]ヒト[属]ヒト[種]ですので、人間(サル目)とイルカ(鯨偶蹄目)の関係くらい違うとも言えます。
よく人間とチンパンジーやゴリラが近縁であるなんて言いますが、分類学上[目(もく)]よりも2階級したの細かい分類[属(ぞく)]の話です。
植物における【目】(もく)より大きな括りでの分類は【綱】(こう)で、単子葉植物か双子葉植物みたいな話になってきます。千両(せんりょう)、万両(まんりょう)、南天(なんてん)が分類上かなり違うということがわかっていただけたのではないでしょうか?
千両(せんりょう)、万両(まんりょう)、南天(なんてん)の見分け方
千両…実が上向きに付く、実が一箇所にかたまっている
万両…サクランボのように2つセットの実が葉の下に垂れ下がるように付く
南天…幹の先端にブドウの房状に付く
まとめ
いままで何気なく見ていた千両(せんりょう)、万両(まんりょう)、南天(なんてん)が全く別の植物に見えてきたのではないでしょうか。